山裾のガラス工房「GLASS FISH」
「工房を建てようと、あちこち場所を探しました。伊豆や山梨、信州、いくつもの場所を歩いてみたけれど、ピンとこなかった。 知人に紹介されてやってきたこの場所とは、運命的な出会いといってもいいかも知れません。即決しました」
草木に囲まれて、野鳥のさえずりが絶えない山裾、目の前には一面の田んぼが広がり、その向こうには、群青色の海がかすかに見える…
大場匠さんのガラス工房「グラスフィッシュ」は、そんなさりげない自然のなかにあります。
サーフィンも趣味の一つ、あるいは生活の一部ともいう大場さん、千倉のこの場所が気に入ったのは海にも近い、というのがもう一つの理由のようです。しかも、JR内房線千倉駅から歩いて7、8分、車だったらほんの1、2分。
工房を入ると白い大きな窯が目に入ります。常に1200度の高熱でガラスを水アメのように溶かし続けています。高温で熱せられたガラスは「まるで水のよう」と大場さんはいいます。手をふれることのできない素材のガラスは、鉄の吹きサオを使い重力や遠心力、空気の力によって、形を作り出していく……自然の力に身をゆだねるガラスクラフトは、どこかサーフィンとも相通じるところも多いのだそうです。
飾らない飾り、シンプルをこえてそこにある美しさ。
大場匠さんの作品をながめると、そこに「さりげなさ」という共通点を見いだします。
主張しすぎない、シンプルな美しさ、でも、そこにはさりげない装飾が見え隠れする、例えるなら一見カジュアル。よく見ると、ちょっときどったフォーマル。
相反するものが見え隠れしている楽しさ、そんな美学は大場さん自身の生き方とも相通じるものがあるようです。
「仕事をやっていない時の時間が大切なんです。
何もやっていないように見えるんですが、そこで生まれてくるものがある。千倉のこの場所だからこそできる、この場の空気感が生きている、そんな作品を作り続けていけたら……」。
大場 匠(おおば たくみ)さんプロフィール
1966年 東京生まれ
1991年 東京ガラス工芸研究所研究科卒業
1991年 日本アートクラフト展旭ガラス賞
1992年 '82国際ガラス展(金沢)入選
1994年~96年 日本クラフト展入選
1996年 金沢卯辰山工芸工房修了
1998年 現代ガラス展イン薩摩入選
2000年 千倉町に吹きガラス工房「glass fish」を設立
2002年 多摩川高島屋にて「ガラス・銀のクリスマスギャラリー展」を開催
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